カテゴリ:様々な紅葉(全17話)( 17 )


そんな訳で「様々な紅葉」シリーズは今日で最終回と言う事にしました。今年は秋が深まっても異状に暖かい日が続いて、京都などの観光名所では紅葉の遅れが出たそうです。そうかと思えばこの所の急激な寒さで、植物達はすっかりサイクルを、狂わされてしまったのではないかと思います。



紅葉の終わりは、落葉の始まり…あんなに美しかった紅葉が、色褪せ茶色に変色し枯れ葉となって舞い落ちて行きます。それはあたかも、木々がハラハラと落とす涙の粒の様です。紅葉は本当は悲しく寂しい終わりの世界なのです。
でも別の見方をすれば、紅葉は枯れ葉が散る前の晴れのステージ、春に新しく生まれ出る若芽たちのために、落葉樹達が見せる復活のドラマの始まりなんです。こうして季節は何時の間にか巡って行くのですね。







この日は別に何も無かったのですが、何となく出掛けたくなりました。もう辺りには夕闇が迫り、急速に暗くなって行く時間帯でした。周辺の家からは灯りが漏れて、昼間とはすっかり違った姿を見せていました。夕闇が紅葉たちを沈んだ臙脂色や黄土色に変えてしまっていましたが、わたしは悲しいほどに美しい色だと思いました。


時居り鯉がパシャっと勢いよく水を叩く音がする位で、他には何の物音もしませんでした。そうしてわたしは何時もの様に、このテリトリーで心を解き放つ事が出来たのです。





太陽の光はもうすっかり勢いを失って、悲しいほどにぼんやりと見えます。全てが色を失うこの時期は、空さえも鈍色に変わって、更に寂しさ増して行きます。

丁度それは既に茶色く退色した葉たちを、なるべく落とさずに大切に身に纏って、この寒さを凌いでいるかの様に思えました。『あなた達はきっと、この寒さから身を守っているのね!』と、わたしはそっと木々に話掛けたのです。






この樹は他のどの樹よりも背が高く、夕暮れの空に向かって、その手を差し上げていたのです。美しいすべすべの幹を持ち、その枝は何本も真っ直ぐに空に向かって伸びていたのです。モミジの樹はまだまだ紅葉を保っていて、まるでわたしを待っているかのように、そこに立っていたのです。
ここは或るスポーツを記念した公園の前に在る、大きな病院の美しい前庭です。療養中の友人のお見舞いに行った時に撮影したのです。夕暮れの中際立ったその美しさに、わたしはしばらく立ち尽くしていました。

「モミジバフウ」はマンサクの仲間で、別名をアメリカフウと言って、アメリカから渡来した事をあらわしています。変な名前ですが日本語で書くと『あぁ、』って納得しますよ。「モミジバフウ」は「モモジ葉楓」と書きます。楓はフウと読みます。一番下は糸杉と「スズカケノキ」ですが、枯れ葉がハラハラと落ちて面白いコントラストでした。



でもそれでは紅葉特集にはなりませんので、昨日に引き続き無理やり紅葉風な風景をお見せしましょうね。お昼の売店と大食堂は団体客で大賑わいでしたが、一歩外に出ると人気が全く無く、何て寂しい所なのかしら…と思って歩いていました。この「ハナミズキ」は一寸変わった家の前に在りました。この家は急な坂を上り切った所に在ったのですが、誰も住んでいる様子は無く、外観が美しいので尚更寂しく感じられましたよ。ガラ~ンとした空虚さの中、ハナミズキの赤い実がこの家や周辺の寂しさを、更に強めている様に思えました。




ハナミズキの赤い実がわたしの目を引きましたが、辺りには寂しさだけが漂っていました。昨日の家は本当に廃屋でしたが、この綺麗な家は誰かの別荘なのかも知れませんね。今考えると、もっと写真を撮って置けば良かったと悔やまれます。実はこの家の近くで「ナツアカネ」が飛んでいるのを見て、そちらに気を取られてしまったからなのです。一番下の写真は昨日の廃屋をもう一度UPしました。明るい光の中で、更に物哀しさが溢れていて、こちらも気になる家でしたよ。


※みなさんこんばんは、ナイルです。今日は大失敗のお詫びを、ここに書き足しました。一番上と2番目の赤い実の名前が間違っていました。みなさん、正しくは「ガマズミ」です。昨日ハナミズキを撮影した事が頭に在ったのと、連日の寝不足からこんな呆れ返った、初歩的ミスを犯してしまいました。*flower*さんのご指摘が無かったら、全く気がつかなっかたでしょう!思い込みって恐ろしいですね、ご迷惑をお掛けした方々、本当にご免なさい。また親切にアドヴァイス下さった*flower*さん、本当にありがとう」ございます。今後はこの様なうっかりミスを繰り返さないよう、気持を引き締めてブログを続けて行きますので、みなさんどうか宜しくお願い致します。
下に参考写真を追加しました。「ハナミズキ」は東京都で、「ガマズミ」は長野県で撮影したものです。





お昼をさっさと済ませて、早速辺りを見て回りましたが、やはり綺麗な紅葉は在りませんでした。在る事は在ったのですが、景色を横断する電線が邪魔をして、写真が撮れなかったのです。でも少しは写真が在りますので、今回は益子の、何だか寂しげな紅葉たちをお見せしましょうね。
一番上は「キヅタ」が絡まる廃屋で、日差しが窓ガラスに反射して、その光はキヅタの色を綺麗に見せていましたよ。それから立ち枯れの「アジサイ」と黄葉した「タマシダ」の葉っぱ達。アジサイは何だか凄く寂しげでした。このタマシダは大きな松の樹に着生していて、幹全体を被っていました。こんな黄葉も面白かなって思いました。

下は山茶花に絡まる「へクソカズラ」の茶色の実ですよ。一番下は売店の前の池の畔の「フユザクラ」です。こんな風にチラホラと咲いていましたよ。でも冬桜だからと言って、冬に咲く桜と言う訳では在りません。秋から既に咲き始めているのです。でも寒い時に見る桜って、何だか暗闇でポっと灯を灯した様な、安心感と暖かさを感じますよね!








みなさんには今日はもう一つ、別の建物の写真もお見せしましょう。昨日チラッと左側に見えたのですが、気が付きましたか?尖塔がとっても印象的な建物ですよ。天辺にはカラスが止まっているのですが見えますか!?これらの秘密の建物については、紅葉シリーズの終了後に全貌を公開します。それまでは暫く、謎のままにしておいて下さいね。
でも最初の建物の秘密のベールを、大分剥がしてお見せしたので、もう判ってしまった方もいるかも知れませんね!判った方はコメントに書いて下さいね。



辺りの景色が一変しても、ここは少しも変わらずに、何時も優しくわたしを迎えてくれます。美しい赤茶色の紅葉はメタセコイアの樹、生きている化石として有名な、スギ科の落葉樹です。何時も気が付かない間に、メタセコイアはひっそりと色着き、全てが落葉してしまうまで、辺りの建物を守るように枝を広げています。
黄色は勿論イチョウの樹で、メタセコイアと並んで美を競っています。イチョウの葉が辺りに積もり始める頃、流れてくるのはクリスマスのコラール。ピアノの伴奏にイチョウの葉がクルクルと踊ります。でもクリスマスの頃には、すっかり葉が落ちて、ここは冬の景色へと移り変わって行くのです。冬は冬の美しさが在って、だからわたしはまたここに、必ず戻って来くるのです。









さて今日は日光から東京にユーターンしまして、東京の都心の紅葉を、ご覧に入れたいと思います。この下に見える紅葉は、なかなか綺麗だと思いませんか?これは或るビルの25Fから撮影した、超有名公園の紅葉です。さて何処でしょうか…でも今日は、場所当てクイズではありませんので、答えは一番下のMoreをクリックして下さいね。でもこの場所からの撮影は、一寸難しいかも知れませんよ。

↓ ここに正解が♪
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最後の色褪せた枯れ葉の一枚が、風に舞い落ちるその刻、木々はどんな悲しい声で歌うのでしょうか?華やかな刻の名残に、そっとため息をつくのは、一体誰なのでしょうか?



