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ナイル商会

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カテゴリ:コレクション( 1 )

 下の写真の猫は日展の著名な彫刻家、故佐藤義重先生の陶彫作品「風来」です。先生は突然病に倒れられ、6ヶ月間の闘病生活も虚しく、天国へと旅立たれて行ったのです。
 お彼岸の日曜日に未亡人を、神楽坂のお宅迄お訪ねし、先生を偲び語り合いました。帰り際に「主人の形見として、どれか猫を貰ってね!」と突然そう言われたのです。非常に高額な作品ばかりなので、最初はお断りしたのですが、お気持を無にしてはとの想いから、思い出深いこの作品「風来」を頂いて来たのです。
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 先生ご夫妻にはお子が無く、それでわたしを実の娘の様に可愛がって下さっていたのです。神楽坂のお宅の玄関には何時もこの風来が飾ってあり、わたしは帰り際には、必ず彼の頭を撫ぜてあげていました。先生は蘭の花を大切に育てられ、猫を愛しお酒を愛し、そして人生を愛していたのです。
 応接間のガラス窓全部が崖に面していて,その窓と崖の間は狭い路地の様になっていました。そこには夫人の草木が色々と植えられていて、その道を野良猫が「猫道」として、利用していました。先生はそんな野良猫たちを、風来坊と呼ばれて何時も陶彫のモデルにしていたのでした。風来の顔はそんな先生にそっくりなのでした。
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     作品「風来」1987年度陶彫展出品作 高さ28cm、幅32cm、重さ2.8kg
        陶彫とは陶芸用粘土での彫刻を、素焼きにした物を言います。
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 人には様々な別れがあります。肉親との永遠の別れ、友人や恋人との別れ、季節の移り変わりも別れ、一日の終わりが今日との別れ、でも直ぐ新しい明日に入れ替わっているのです。
 人にはそれぞれの別れがありますが、様々な出会いも在ります。永久の別れでも、私たちがその人を覚えている限り、それは別れでは無いのです。わたしが考える本当の別れとは、その人を完全に忘れ去ってしまう事なのだと思います。e0064158_117515.gif
by brue-nile | 2005-09-28 01:20 | コレクション | Comments(11)