ブログトップ

ナイル商会

thenile.exblog.jp

何時も有難うございます!ご訪問頂いたお客様も203,060 人を超え、新たな目標に向かって歩んでいます。身近で出遇った小さな生き物達や植物など、気ままにナイルがご案内しています。 ナイル商会・管理人

そうだ…温室に行こう!!(その31)紙

e0064158_0202052.jpg
 みなさん、こんにちは、ナイルです。今日の温室は、前回大変好評でしたので、またまたエジプトのお話をする事にしました。写真や資料にヒエログリフと…凄く重たいのですが、面白いので是非最後まで見て下さいね!
e0064158_021181.jpg
 東京の雪は直ぐ消えてしまいましたが、気象庁の春の陽気と言う予報は、大きく外れてとっても寒い日になりました。春の暖かさを期待したのですが、寒さに震えながら仕事をしました。
 でも今日の温室も暖かくて、わたしナイルが熱く語る古代エジプトのお話です。前回の“聖なる花”と同じくらいに、大切にされた植物「パピルス」にまつわるお話なんですよ。
e0064158_022119.jpg
                     (古代エジプトのパピルスの図)
 この植物名の「Papyrus=パピルス」は、言わずと知れた「Paper=ペーパー(紙)」の語源ですよね。「パピルス」は正しくは「シペラス・パピルス」と言って、日本の「蚊遣吊り草=カヤツリグサ」の仲間の多年草の植物です。言うなれば巨大なカヤツリグサで、和名を「紙蚊帳吊り=カミガヤツリ」と言います。日本の温室内でも高さは4mにも達し、茎の直径も根元の部分では7cm程にもなると言うことです。
e0064158_022305.jpg
               (古代エジプトの図案、パピルスと水鳥)
 生まれ故郷は勿論アフリカで、北部から中部にかけての一帯で、河川の水辺や沼沢地などに群生しています。特に有名なのは、エジプトのナイル河とそのデルタ地帯(河口に出来る三角州)に繁茂する「シペラス・パピルス」です。
e0064158_0231414.jpg
      (シンガポールのホテルでも、穂を切ったパピルスが使われていました。)
 
 紀元前2,400年(4,400年前)の古代エジプトでは、この「シペラス・パピルス」から世界で最初の〔紙〕が作られました。〔紙〕の文化はエジプトの「パピルス」から羊皮紙・パーチメントへと進み、更に中国での〔紙〕の発明へと続いたのです。
「パピルス」が作り出される前は、木の葉、粘土板、石刻、竹簡、木簡それに布帛等を使っていました。「パピルス」は〔紙〕の語源ですが、本当は〔紙〕ではありません。
e0064158_0234841.jpg
                    (パピルスの象形文字です。)
 〔紙〕は、繊維を水などに溶かして、すくい上げて乾燥させた物ですが、「パピルス」は茎の髄をテープ状に裂いて、縦横に重ね合わせ圧搾乾燥した物なのです。ですから「シペラス・パピルス」から作られた物を〔パピルス紙〕と呼んで、〔紙〕とは分けているのです。〔パピルス紙〕は「紙」と違うので折り畳む事が出来ません。簡単に言いますと〔パピルス紙〕は竹等で編んだ様な構造ですので、折り畳もうとすると、壊れてしまうのです。
e0064158_024786.jpg
               (パピルス紙に描かれた、ネフェルティティ像) 
 ですから〔パピルス紙〕は1枚のシートのままか、或いは巻物として使われていたのです。それから「本」形式の物が作られ〔パピルス紙〕は今からおよそ5、000年前から1、000年前までの、約4、000年の永期に渡って作り続けられたのです。
 ナイル河のデルタ地帯の湿地や沼地では、原料を確保するため、「シペラス・パピルス」栽培が盛んに行われていました。そうして〔パピルス紙〕は、エジプトの特産品として、地中海沿岸の各地に輸出されました。この輸出はエジプト王家にとっては、大変貴重な財源になって行ったのです。
 〔パピルス紙〕には歴史、宗教、文学、法令それから契約等に関する記録が書かれました。〔パピルス紙〕が、当時の地中海世界の文化に果たした役割の大きさは、本当に計り知れないものが在ります。
 Paper=ペーパー(英語)Papier=パピール(フランス語)Papier=パピエ(ドイツ語)など多くの国で〔紙〕を意味する言葉はPapyrus=パピルスに由来しているのです。
e0064158_0242997.jpg
             (上と下、パピルス紙画のブックマーク=栞とヒエログリフ)
e0064158_0244712.jpg
 「シペラス・パピルス」は、古代エジプトでは〔英知〕の象徴とされていました。上の方の図で示した象形文字は〔繁栄〕や〔喜び〕そうして〔若さ〕を表していました。ここでは図が在りませんが、〔パピルス紙〕の巻物の象形文字は、〔知識〕、〔博識〕それから〔発達〕を意味したのです。また「シペラス・パピルス」の上端の房状の花序は、〔活力〕と〔清新〕を表し、その他にも魔除けに使われたり、神殿の装飾に使われました。また有力者達が冠として被ったのです。
e0064158_247126.jpg
 古代エジプトの建築では、前回の「ロータス」の様な植物を、石柱の装飾として使っているのが特徴です。神殿や葬祭殿の柱には「パピルス柱」が多用されました。「シペラス・パピルス」の茎を束ねた形の円柱形が使われ、その柱頭の装飾のには2種類在って、〔蕾形〕と〔開花形〕の形式が在る事が知られています。
e0064158_2571545.jpg
 エジプトを象徴し、ナイルの賜物である「シペラス・パピルス」の建築や文化との強い絆は、国家の繁栄と安泰を願う古代エジプトの人々の、自然を通しての強い思いが伝わって来ます。
e0064158_34390.jpg
 みなさん、今日の「パピルス」のお話は如何でしたか?「パピルス画」の〔ヒエログリフ〕文字は参考として載せましたので、下の3枚の〔ヒエログリフ〕はおまけです。バレンタインの日も近いので、最後の〔ヒエログリフ〕はわたしナイルからみなさんに、心を込めてお贈りします。きっとみなさん、気に入って下さるかと思います。
by brue-nile | 2006-02-08 03:23 | そうだ温室に行こう(全36話) | Comments(12)
Commented by sdknz610 at 2006-02-08 04:29
ネフェルティティの鮮明な絵は古いもの?現代のもの?ですかー・・・?あまりに鮮明なのでビックリしてます♪ヒエログリフでメッセージが来たら(来る訳ないですが♪)ナイルさんのこの辞書で解読しなくっちゃ!
Commented by chochoensis at 2006-02-08 07:15
brue-nileさん、パピルスの話、とても面白かったです。植物園で「パピルス」は見たことがありますが、こんなに深い物語があったなんて面白いを通り越して感心してしまいました。「古代エジプトのパピルスの図」に描かれた鳥の図案に興味を持ちました・・・。
Commented at 2006-02-08 15:53
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by shinmyo_y at 2006-02-08 18:45
以前、仕事でネフェルティティのフィギュアを作ったことがありますが、色彩を表現するのが難しかったのを思い出しました・・・(笑)
ブックマークは、2年前エジプト旅行にいった友人にお土産でもらいました。(少し柄が違いますけど。)

パピルスってそんな歴史を持ってたんですね。
Commented by brue-nile at 2006-02-08 19:03
*sdknz*さん、こんばんは。このパピルス画は今から25年ぐらい前の物です。エジプトのお土産用のパピルス画は、日本でも販売されていますが、わたしの物はお土産用ではなくて、一応美術品です。ネフェルティティの王冠と首飾り&台座は絵ではなくて、金属やエナメルが使われています。因みにお土産用で日本で入手出来るパピルス画は大体1枚3,500位で売っています。美女ネフェルティティ王妃については以下のアドレスで見れます。
 http://www.louvre-m.com/mokuroku/neferu.html

栞でよろしかったら1枚差し上げます。その時は鍵付きで送付先をお知らせ下さい。
Commented by brue-nile at 2006-02-08 19:24
*chochoensis*さん、こんばんは。ありがとうございます。古代エジプトでは豊かなナイルの恵みを受けて、水鳥さんが沢山暮らしていました。ヒエログリフの図には記載されていませんが、「カモ」「ガン」の物も在ります。上のカラーの文字の(A)は「ハゲワシ」、(W)は「ウズラ」、(M)は「フクロウ」です。デザインでパピルスの上に止まっているのは、エジプトで好まれた色、(白)色の「サギ」の一種のようです。
Commented by brue-nile at 2006-02-08 19:27
*鍵付き*さん、早とちりをして、本当にご免なさい。そうですよね、だら~んと伸びているだけですね。固定観念でそう思ってしまいました。
Commented by brue-nile at 2006-02-08 19:36
*まさじぃ*さん、こんばんは。美しい面と醜い面、彩色は難しそうですね。栞は沢山持っていたのですが、欲しいという人にドンドンあげていたら、とうとう5枚だけになりました。わたしはエジプトのパピルスの女神のブロンズを持っているのですが、これは水彩画を描く時のお守りです。

パピルスの歴史は文字文化の歴史でもあるのです…。
Commented by sdknz610 at 2006-02-09 05:40
ナイルさん、栞の件ではお気遣いありがとうございます!もうお気持ちだけで十分です。ブログ訪問すれば何時でも見られますので♪
Commented by brue-nile at 2006-02-09 19:18
*sdknz*さん、こんばんは。本当に宜しいんですか…?
遠慮なさらなくて大丈夫ですのに…。

では保留にして置きますので、何時でもお申しつけ下さい。
Commented by ミイラ展ブログ事務局 at 2007-05-25 15:40 x
はじめまして。
「大英博物館 ミイラと古代エジプト展」公式ブログ事務局と申します。

当ブログは、神戸市立博物館にて開催中の
「大英博物館 ミイラと古代エジプト展」の公式ブログとして
ミイラ展や古代エジプトに関連する記事を更新しております。

 ▼大英博物館 ミイラと古代エジプト展 公式ブログ
  http://www.miirablog.jp/

 ▼大英博物館 ミイラと古代エジプト展 公式HP
  http://www.asahi.com/miira/

このたび、当ブログ内の「【ミイラ・エジプト豆知識】紙(paper)の起源・
パピルスの真実」というコーナーの執筆に当たり、貴ブログのこちら
の記事を参考にさせていただきましたのでご連絡を差し上げました。

 ▼貴サイトを参考にさせていただいた記事
http://www.miirablog.jp/archives/2007/05/190.php

また記事内にて、「参考サイト」として貴ブログを紹介させていただき、
併せてこちらの記事にトラックバックもさせていただいております。

万一、不都合などございましたら、お手数ですがご連絡いただけますと幸いです。

ご確認のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
Commented by brue-nile at 2007-05-25 23:08
*ミイラ展ブログ事務局*さん、こんばんは。
貴ブログに、わたしの稚拙なブログをご紹介下さり、
大変光栄に思います。どうもありがとうございます。

親しい友人が、生パピルスを研究しておりまして、
エジプト大使館の書記官の方と懇意にしております。

友人を通じて、エジプト大使館にもご紹介したいと思います。

わたし自身も、大英博物館プレスから
書籍を購入したり、ミュージアムカタログからも
小物を購入しております。

明日のブログ内で、
貴ブログを記事中でリンクしたいと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。