双子の樹 (不思議の森の物語、第16夜)
やはり先を急がなくては、夜になる前に大蛇の樹迄たどり着きたいのです。もし辿り着けなかったら、わたしはたった一人この暗い森で、夜を明かす事になります。それだけは絶対に嫌でした。それで、わたしはまた歩き始めました。
あんまり急いだので、何度も転びそうになりましたが、それでもわたしは走って行きました。樹の所に辿り着きましたが、何故かカラスさんが行っていた筈の、右へ行く道が在りませんでした。そこには同じような、森の道が続いているばかりでした。わたしはがっかりして、とうとう泣き出してしまいました。
その時直ぐ側の藪陰から声がしたのです。「ねえあなた、何で泣いているの?わたしに訳を話して見たらどうかしら?」と優しい声で話しかけて来たのです。わたしは藪の方に行って覗いて見ました。そこにはあの妖精のツマグロヒョウモンさんが、アザミのソファーにもたれて座っていたのでした。
ところでナイルのお城の池の鰻だけれどピコやチイやクロはお口が小さいので鰌ぐらいちょうど良いよとヒソヒソ話しをしています。
エッ!?鰌すくいを踊れッて!?ニャ〜〜〜〜〜〜〜〜ン*(++)*
「ヨウシュヤマゴボウ」というのですか、小さいときにこの実を擦って「赤紫」の汁をアチコチにすり込んだりして遊んだのを想い出しました・・・。
いつもの、美文に感激しています・・・。